イタリアを中心にContemporanei・現代制作者の紹介をしています!--- 本に掲載されているような内容とは一味違った彼達の素顔!--- 性格は音色にも影響すると私は思います!
Concept
コンセプト
Volantino
営業案内
Prescelto degli Strumenti
厳選楽器
  Violini
  Viole
  Violoncelli
Laboratorio / Listini
サラ工房
Accesso
アクセス
Profilo
プロフィール
お問合せ
そもそも、このページを作ろうと思った切っ掛け!!



如何して? 何故、ここで ラベル(Etichetta) を取上げたのかを少し説明させてください。
もう20年以上、音楽を勉強している友人のViolinistから『制作者の情報がもっと多く知りたい』という
何気ない1つの質問・依頼から、このページを創ってみようと思い立ちました。
私が受けた初めての、制作者に関する依頼が彼女からのものです。
ラベル(Etichetta;制作者に関する情報の1つ)は、楽器(Strumento)のf字孔(Effe)から中を覗けば顔を出します。
演奏者の皆さんが唯一、ひと目で楽器を誰が作ったのか確かめることのできる証なのかな...。
制作者も、完成させた楽器に自信を持って、それを貼っているに違いありません。
楽器自身が、個性を奏でる音に変えてアピールするように、ラベルも制作者に代わって同様なことが云えるはず。
一般に、ラベルには次に挙げる3項目が明記されています。

    1. 制作者の名前
    2. 制作した場所
    3. 制作年

依頼を受けた彼女の楽器のように、無名制作者のものであれば、一番の頼りはラベルに書かれている内容になる。
私が採った行動は、そこから M^ Gio Batta Morassi(師匠ジオ・バッタ・モラッシー) の助けをかり
文献をあたり履歴等を探るといったものです。
事実として判ったことは、制作者の名前は存在したものの、制作した場所・制作年は嘘の記述だった。
制作した場所はCremonaとなっていたのに対し、Veronaで活動をしていた制作者。
制作年は、制作者(1908〜1968、Verona)が亡くなった10年後の1978年。
偽物によくある事でした。
詳しく調べた結果、この楽器はドイツのスタイルということまで判った。
彼女が京都で楽器を購入した時期は、日本のバブル期になるそうです。
昨年(2000年)、イギリス(U.K)の新聞社が
『1980年代のCremonaの楽器には、ドイツ・中国等の工場製作品が数多く含まれていた』 という
記事を掲載した事実と一致する部分が、目の前で証明されたことに苛立ちを隠せなかった。

ブランドとして存在する『Cremonaの楽器』(Cremonese)に対して、彼女は楽器購入の際
どういった説明を受けたのでしょう。
『このVnは、Cremonaの誰彼という制作家が何年に作ったものです』、と言われても
サッパリ、ピンともこないし、解りようがないと思う。・・・私自身そうだから。

先入観の部分で、人はこういった楽器や絵画等、に関して言えば、名前から判断することが多分にあると思う。
美術館に出掛け、有名な画家が描いた絵を前に、『誰彼が描いた物だから素敵だ』。
そうではないのでは、『この絵は素敵だけど、誰が描いたのもの』。 後者が正解だと私は思います。
納得する・した部分でのそれは、理解できるにしても 始まりはすべて、そうだったに違いない。
『A・Stradivariが作った楽器だから素敵だ』、『素敵な楽器だけど、誰の作品・・・、Stradか』。
『Cremonaの楽器だから…。』

演奏家と制作家とが楽器を見るに際し、根本的に違ってくるのは次の部分だと考えます。
制作家の立場から言うと、中身(良い仕事)が一番に来るように
演奏家の立場から言うと、音色になるのでしょうか。
双方の一番が備わったものが、『Cremonaの楽器』で在って欲しい。

現在、Cremonaの制作者たち(Liutai)は、本人が発行するチェルティフィカート(Certificato) という
証明書を添付して楽器を国内外に、送り出しています。
これは、あまりにも多くの偽物のCremonaの楽器が出回っていることに対しての政策の1つです。
しかし、証明書の偽造発行など簡単なこと。
それに対し、Cremona 制作者協会は楽器1挺1挺に対して、協会が管理できるよう楽器登録システムを
導入する動きが活発になった時期もありました。
しかし、このシステム管理はいっこうに動き出しそうにありません。
何故なら、ここ Cremonaで制作に携わっているすべての制作者たち(Liutai)が協会に属しているわけではない
ことが、システムの導入を遅れさせていることも事実です。

では、『Cremonaの楽器』 についてはシステム導入までの間、私たちは指を銜えて待つのでしょうか。
待つ時間なんて、無駄にしてられない。
制作者の名前だけもいい、知識を持って楽器を選らんで欲しいという、思いを込めて紹介いたしました。
ここで、すべての制作者のことを紹介することは不可能です。
先のページは、今私の手元にある資料から抜粋した制作者のリストを掲載しています。
中には漏れている制作者も多くいます。 
その分に関しては今後、私なりに調査をしていくつもりでいます。
私の出来る限りのお力添えが出来れば幸いです。
皆さんの弾かれている楽器には、誰のラベルが貼られているのでしょう ?

最後に、皆さんにお願いがあります。 
あくまでも、制作者の立場から述べると
楽器を購入される際、一番注意を払って見ていただきたい部分は楽器の作り・中身です。
楽器の奏でる音は、中身に追随していくと思うのです。